楽天嶋基宏捕手(34)が減額制限を超える条件提示を受け、他球団との交渉が可能となる自由契約を申し出て、球団から了承されたことを表明した。

21日に球団と会談後に対応。「10月の頭に話をいただいて、約3週間、簡単な決断ではなかったです。僕にとって、いい13年間だった。入ったころは本当にお客さんもいない中で試合もしましたし、そこから球団の頑張り、選手の頑張りで、今は毎日2万人を超えるお客さんに球場に足を運んでいただける。球団が成長していく過程で僕自身も成長できた。そんな球団を離れるのは寂しいし、悔しいし、悲しい思いもあるんですけど、人生1回きりなので勝負したい思いが、僕の中でまだある。その気持ちがなくなった時が引退する時だと思う」と苦渋の決断を語った。

今後も仙台市内で練習を続けながら、新天地を模索する。「レギュラー、正捕手じゃないから楽天を去りたいという思いは、正直、一切ない。本当に必要とされているかどうか、そういう思いが伝わる球団で僕はやりたい。フラットな目で勝負させていただける球団を探したいという思いです」。球団はかねて将来的に指導者として復帰することを熱望しているが「そう(楽天で指導者になると)思いながらプレーするのは、チャンスをいただける球団に失礼。チャンスをいただける球団で全てを出し切ること、その球団に『嶋を取って良かった』と言ってもらえることが、今の僕にとって一番大切なことだと思う」と強調した。

今季は腰を痛め6月に登録抹消。若手起用を優先する球団の方針もあり、13年目で最少の57試合出場にとどまり、出場機会を求めて退団する意向を固めていた。