数々のアウトドアシーンで焚き火を使って料理を提供してきた「アウトドア料理の達人」が、楽しくて美味しい焚き火料理の作り方を、そのコツとともに伝授。『焚き火料理の本』より、一部抜粋して紹介します。今回は、焚き火を活用した調理方法の一部を解説。
焚き火で調理法を大別すると、食材を直火で焼くか、ダッチオーブンなどの道具を使うかの2つに分けられる。
直火で食材を焼く調理法は、焚き火ならではの焦げ目や香りをつけられることが最大のメリット。食材の水分が飛んで味の濃度が高まるので、個々の食材の旨味を味わう料理に向いている。
一方、後者のメリットは手軽さにある。まんべんなく火が入り、焦がすリスクが小さい。また、食材から滲み出た旨味を逃さないので、複数の旨味を融合させるような料理に向く。
料理や食材に合わせて調理法を使い分けられるようになると、焚き火料理は一段と楽しくなる。
グリル(網焼き)
焦げないよう弱〜中火が基本
焚き火の上に網を置き、直火で焼く調理法。いわゆる網焼きである。火加減は焦げづらい弱~中火の熾火が理想で、熱源から15㎝ほど離れた位置に焼き網をセットする。熾火を食材の下に集めたり広げたりすることで、火力を調整しよう。慌ただしくひっくり返さず、片面をしっかり焼いてから裏返すのがコツ。
ロースト
上火は強めに
ダッチオーブンやスキレットに食材を入れて上下から熱を伝える、オーブンのような調理法。中は食材自体の水分で蒸し焼き状態になる。パリッと仕上げたい時は肉のみで焼き、しっとり仕上げたい時は野菜や水分を足す。大きめの食材にしっかり火を入れたい料理や、旨味を逃したくない料理に向いている。
直置きグリル
ささっと仕上げるのがコツ
これぞ焚き火料理ならでは。食材の表面に焦げ目をさっとつけて、香ばしく仕上げるための手法。炎が落ち着いて、ある程度の塊になっている薪を選んで食材をのせる。多少灰がついても気にせず、スパイスだと考えよう。ジャガイモやバゲットなど表面が乾いた食材は焼きやすく、水分を多く含む食材(葉物など)は難度が高い。
吊るし焼き
遠火でじっくり
焚き火の上に肉を吊るして焼く、原始的だが絵になる手法。料理の味は見た目に左右されることが多々ある。この焼き方は、まさにワイルド感溢れるエンターテイメント的楽しさも演出できる。ほどよく脂分を落としながらじっくりと火を通せるうえに、スモーキーな燻製風味がプラスされる利点もある。
※本記事は『焚き火料理の本』を一部掲載したものです。
『焚き火料理の本』
アウトドア料理の達人が教えます! 56の絶品焚き火料理の作り方。
『焚き火料理の本』
著: 小雀 陣二
発売日:2021年3月18日
価格:1650円(税込)
【著者略歴】
小雀陣二(こすずめ・じゅんじ)
アウトドアでの経験と料理のスキルを活かし、手軽な野外料理を紹介しているアウトドアコーディネーター。アウトドアツアーの運営や道具の企画開発を手掛け、各メディアでアウトドア関連の撮影に長年携わる。神奈川県三浦半島の突端、三崎港のカフェ「雀家」のオーナーとしての顔ももつ。『山料理』『焚火料理の本』(山と溪谷社)など、著書多数。
からの記事と詳細 ( グリル、ロースト、吊るし焼き…焚き火を使った調理方法。使い分けで焚き火料理をさらに楽しく! - 株式会社 山と溪谷社 )
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