「インセプション」「ダンケルク」「ダークナイト」といった作品を世に送り出したクリストファー・ノーラン監督がストリーミングサービスの「HBO Max」を「最悪のストリーミングサービス」と猛烈に非難したと話題になっています。
Christopher Nolan Rips HBO Max as "Worst Streaming Service," Denounces Warner Bros.' Plan | Hollywood Reporter
https://www.hollywoodreporter.com/news/christopher-nolan-rips-hbo-max-as-worst-streaming-service-denounces-warner-bros-plan
Christopher Nolan calls HBO Max the ‘worst streaming service’ - Polygon
https://www.polygon.com/2020/12/8/22163290/christopher-nolan-warner-media-hbo-max
2020年12月4日、ワーナー・ブラザーズが「デューン」「マトリックス4」といった2021年公開予定の新作映画を、劇場公開と同時に1カ月限定でストリーミングサービスのHBO Maxで配信することを発表しました。
2021年公開の「デューン」「マトリックス4」は劇場公開と同時にオンラインで配信することをワーナー・ブラザーズが発表 - GIGAZINE
この決定は2020年9月18日に公開された、ノーラン監督の「TENET テネット」の興行収入が新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響で予想よりも振るわなかったことを受けてのものだとみられています。
ワーナー・ブラザーズの映画が劇場公開と同時にストリーミングサービスで配信されるのはこれが初めてのこと。この措置は一時的なものであり、2021年以降はストリーミング配信を停止する見込みだとワーナー・ブラザーズは発表しています。
しかし、20年以上ワーナー・ブラザーズとともに映画業界に携わってきたノーラン監督は、海外映画メディアのHollywood Reporterに対し「我々の業界で最も偉大な映画製作者や映画俳優の何名かは、『自分はすばらしい映画スタジオで働いている』と考えながら眠りにつき、起きた時に『最悪のストリーミングサービスで働いていた』ということを知りました」とコメント。「ワーナー・ブラザーズはそれが劇場でも自宅でも、映画製作者がどこでもいい仕事を行えるような仕組みを持っていますが、それを解体しようとしています。彼らは自分が何を失おうとしているのかさえ気づいていません。彼らの決定は経済的に意味がありません。ウォールストリートで働きだしたばかりの投資家さえ、混乱と機能不全の違いを理解しているのにです」と続けました。
Hollywood Reporterによると、ワーナー・ブラザーズの決定は最高執行責任者(COO)のキャロリン・ブラックウッド氏発案のものですが、発表前に関係各所と相談や合意が持たれるものではなかったとのこと。突然の連絡に俳優のエージェントや制作会社、映画館チェーンまでに動揺や反発が生まれたと伝えられています。またワーナー・ブラザーズはストリーミング配信を「期間限定の措置」としていますが、この点にも疑念の目が向けられています。加えて、レジェンダリー・ピクチャーズに至っては「デューン」や「GODZILLA VS. KONG」に多額の出資を行っていることから、ワーナー・ブラザーズを相手に訴訟を起こす可能もあるとみられています。
なお、HBO Maxは2020年12月8日の時点で加入者が1260万人に達したと報告されており、その規模を急拡大させています。2025年までにアメリカの加入者が5000万人以上、全世界規模で7500~9000万人のユーザーを獲得することを目標としているとのことです。
HBO Max Has Reached 12.6 Million Activations, AT&T CEO John Stankey Reports, With Engagement Up 36% In Past Month – Deadline
https://deadline.com/2020/12/hbo-max-streaming-12-6-million-subscribers-att-ceo-john-stankey-the-undoing-1234652083/
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