2017年7月に発表、9月より販売が開始された現行型「FK8」シビックタイプR。圧倒的なパフォーマンスを誇る”FF最速”のハンドリングマシンだが、開発陣の熱い思いはとどまることを知らず、さらなるパフォーマンスアップを目指して、実にマニアックな、細部を磨き上げるような進化を遂げた。
印象的だったのが、開発リーダーの柿沼秀樹氏の「最近皆さまからそう思われていないようですが、ホンダらしさとはやはりレーシングスピリットです」という言葉。操る楽しさを徹底的に磨き上げた新生タイプRの発売開始は今年夏の予定だ!
今回はデビューから2年半、さらなる進化を遂げてお披露目されたマイナーチェンジモデルの進化について解き明かしていきたい。
※本稿は2020年2月のものです
文/ベストカー編集部
写真/奥隅圭之、ベストカー編集部
初出:『ベストカー』2020年3月26日号
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■フロントグリル開口面積 13%拡大で冷却性能up
フロントグリル開口部面積を13%拡大するとともに、ラジエターフィンピッチを従来の3.0mmから2.5mmへと細かくすることで冷却性能を引き上げた。
これにより高負荷でのサーキット連続走行時の冷却水温度が、最大で約10℃低くできるという。これはつまり、安定してエンジン性能を最大限に引き出し続けることが可能になるということで、ニュルなどでのタイムアップには効果絶大だ。
■それにより悪化した空力を改善するアンダースポイラー
上記のように前面から走行風をより多く取り入れるということはエンジンルームに入る風が増え、結果的にダウンフォースが低下することになる。
それを抑えるためにフロントアンダースポイラーの形状を工夫してドラッグを増加させることなくダウンフォースの低下を抑え込んでいる。また、サイドにリブを追加することで高負荷時の倒れ込みを抑制し、より高い整流効果を発揮させている。
■エンジンスペックに変更なし
エンジンスペックは特に変更されていないと公式にはアナウンスされている。320ps/40.8kgmの2Lターボは必要十分なパフォーマンスだ。
■徹底的サスチューンによりコーナリング性能向上
ブレーキディスクは1ピースタイプから2ピースタイプへと変更された。これにより高速域からのブレーキング時に発生するディスクの倒れ込み現象を大幅に減少されている。ディスクが倒れ込むとペダル操作に対する踏力変化が大きくなり、ブレーキの効きにも影響する。
サスペンションは、フロントボールジョイントのフリクション低減による追従性の向上、リアサス横力トーイン量増加によるリア接地性、追従性の向上など、細部を磨き上げて操縦性を引き上げている。
■専用BBS鍛造ホイールにミシュランパイロットスポーツカップ2
98モデルのインテRなどに設定されていた『サンライトイエロー』を纏った新型シビックタイプRは世界1000台、日本200台限定の「リミテッドエディション」。
1本あたり2.5kg軽量化された専用BBS鍛造アルミホイールを装着し、タイヤはオリジナルのコンチネンタルスポーツコンタクト6に代えてミシュランパイロットスポーツカップ2を履く。
車体側では遮音材の省略などにより13kgの軽量化をして合計23kgの軽量化を実現。専用チューニングのサスペンションを採用し、さらに究極の操縦性を追求した
■フルアルカンターラステア & ティアドロップ形シフトノブ
ステアリングはホンダ初のフルアルカンターラ巻きを採用。縦方向38mm、厚み側28mmの楕円形状のグリップの太さや形状は現行型が理想的なので、革厚の差による形状変化を嫌って、あえてコストのかかる2枚重ねの裏地を採用。
また、シフトノブは2007年デビューの先代型シビックタイプR以来の丸形からティアドロップ形に変更。丸形は握り感覚はいいのだが、手の感覚でギアポジションが判別しにくい欠点があったため。素材はアルミ+スチールで重量は230g。重量と重心点を最適化したことで、シフトフィールは格段によくなったという。
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March 17, 2020 at 11:00AM
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