昨季ソフトバンクでプレーしたオスカー・コラス外野手（21）がメジャー移籍を目指しキューバを亡命したことが明らかになった。MLB公式スペイン語サイトのフランシス・ロメロ記者が3日、キューバからの情報として伝えた。現地3日に出国したという。

左腕投手で外野手との二刀流から「キューバの大谷」と呼ばれるコラスは、17年5月に育成選手として入団。18年から野手に専念し、昨年6月に支配下選手登録された。昨季は7試合に出場して打率2割7分8厘、1本塁打、2打点。デビュー戦の8月18日西武戦（ヤフオクドーム）では「初打席初球本塁打」を記録し、王球団会長も「ビックリした。あんな力を持っているんだね」と驚いていた。

ソフトバンクはモイネロとともにコラスを今季契約する権利を持つ保留選手名簿に載せており、すでに発表した20年のメンバー表にも掲載していた。突然のニュースに球団関係者は「来年もソフトバンクでプレーする準備をして、帰国したと聞いていたのに」と困惑気味だった。同じキューバ勢のデスパイネとグラシアルは残留濃厚ながら、同国政府と交渉中で自由契約選手のままとなっている。

キューバからMLBへの選手移籍に関しては18年に日本と同様のポスティングシステムを導入することで合意したが、米政府に却下され、実現しなかった。コラスは今後、第三国の居住権を取得し大リーグ機構からFAとして承認されると、メジャー移籍が可能となる。米メディアは、多数の球団が興味を持つだろうとし、動向に注目している。