「令和になっても菊男!」
20日、京都競馬場で行われた菊花賞(G1)は、武豊騎乗の3番人気ワールドプレミア(牡3歳、栗東・友道康夫厩舎)が勝利。武豊騎手は、令和になって初のG1制覇。また菊花賞の最年少制覇だった武豊騎手は、これで最年長制覇も成し遂げた。
「馬の状態もよかったし、枠も良かったんで『勝てるレース』をしようと」
「長距離は騎手の腕」。そんな格言が改めて証明されたようなレースだった。18頭立て芝3000mのレースは、逃げると思われていたシフルマンが出遅れる波乱の幕開けとなった。しかし、最初の1000mこそ62.4秒のスローペースだったが、有力各馬が早めに動きだしたことでレース全体としてはタフな流れになった。
そんな中、武豊騎手のワールドプレミアは3枠5番の好枠を活かし、内々で脚を溜める。レース直前まではうるさい面を見せていた本馬だが、レース後、武豊騎手が「折り合いを欠くところもなく上手に走ってくれた」と振り返った通り、折り合いはぴったりだった。
「いやあ、お見事なレースでした。道中は中団で折り合いに専念していたワールドプレミアですが、勝負所の3コーナーから4コーナーで内をスルスルと抜けて、最後の直線では先頭集団の直後へ。この辺りは、さすが武豊騎手でしたね。ほとんどロスの無い競馬でした」(競馬記者)
最後の直線入り口で、逃げていたカウディーリョを交わして先頭に立ったワールドプレミア。京都競馬場のスタンドからは大歓声が上がる。最後は外から福永祐一騎手のサトノルークスが強襲したが、クビ差しのいだところがゴールだった。
「僕自身も、久しぶりの菊花賞ですし嬉しいですね」
レース後、武豊騎手がそう語った通り2005年のディープインパクト以来、14年ぶりの勝利。それもディープインパクト産駒での勝利となって「ディープインパクト産駒という意識もありましたし、嬉しかったですね」と喜びもひとしおだ。
「武豊騎手は2013年の日本ダービー(G1)をキズナで勝った際も、ディープインパクト以来の勝利。こちらもディープインパクト産駒でした。残る一冠・皐月賞もディープインパクトから勝っていませんし、今後、武豊騎手がディープインパクト産駒で皐月賞に出る際は要注目ですね」(別の記者)
「天才武豊」の真骨頂のようなレースぶりに、菊花賞3勝を誇るレジェンド岡部幸雄元騎手も「返し馬であれだけうるさかった馬を、レースでは、なだめてなだめて持ってくる」と、その手腕を絶賛。
まさにベテラン武豊騎手が、若いワールドプレミアを勝利へ導いたような完璧なレース運びだった。
また、菊花賞は武豊騎手にとってG1初制覇を飾った思い出の舞台。19歳デビュー2年目でのクラシック制覇は「武豊」の名を全国に知らしめた。あれから31年、今年50歳の節目となる最年長勝利。本人も「良いレースが出来て、一生懸命走ってくれた。最年少と最年長記録を獲れたので嬉しい」とご満悦だった。
昭和、平成、そして令和と時代が替わっても、天才の手腕は衰え知らずだ。
2019-10-20 07:32:57Z
https://biz-journal.jp/gj/2019/10/post_124374.html
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