西武山川穂高内野手(28)が5日、埼玉・所沢の球団事務所で契約交渉を行い、1億円アップの年俸2億1000万円でサインした。前日に2億円で更改した同期入団の森を上回り、安堵(あんど)の表情を見せた。今季は不調で8月途中から7番に降格。2年連続本塁打王獲得にも満足することなく、高校時代の練習メニューを取り入れた肉体改造で、来季の飛躍を誓った。

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無数のフラッシュを浴びたスーツ姿の山川は、契約内容を問われると、ニヤリと表情をゆるめた。

山川 2億1000万円です。うれしかったですね。森に勝てたと。勝ったというか、今年は(貢献度で)負けたんですけど、森の食事代で1000万円多くやれればいいかなと。

13年ドラフト1位の森と2位山川は、4学年の差を超えて仲がよく、練習や食事をともにする機会が多い。「森は永遠のライバルですよ。笑い話ですけど、森が2億いってるのを見て、100万でもいいから上にいきたいなと。『山川さん、行こうや』っていうのはあいつだけど、おごるのは僕なので」と笑わせた。

金額に大満足のキングだが、今季の内容に話が及ぶと表情を引き締めた。「全然ダメ。打率、打点、ホームラン…。4番も外されたので悔しさの方が多いシーズンでした」と振り返った。

ステップアップに向けて秋季キャンプから取り組み始めたのが「永哲メニュー」だ。山川が沖縄・中部商時代の陸上部監督で、元国体やり投げ1位の赤嶺永哲氏から「教官室に押しかけて」教わったというトレーニングメニュー。「タイヤ押しとかタイヤ引きとか、ベンチプレスではない動き。今までで1番きつかったトレーニング。スピード。ボディーターンとか、瞬発力が期待できる」という。単に体を大きくしたり絞るのではなく“筋肉の質”の向上が目的。「体ありきの技術。バットをしっかり振るためのトレーニング」と説明した。

山川は背番号が33から3に変わる来季へ向け「3連覇、3年連続本塁打王、日本一、金メダル。いっぱいあるけど、そこに向かっていきたい」と多くの目標を掲げた。盟友森と「1000万円分」の食事をしながら、チームを勝利に導く決意だ。【鈴木正章】