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Wednesday, June 29, 2022

レクサスRZで大進化を魅せる! スピンドルグリルという選択は正解だったのか!? - BestCarWeb

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 レクサスは新型EV「RZ」で、スピンドルグリルをさらに進化させたスピンドルボディを採用した。

 2012年、初めてスピンドルグリルをレクサスGSに採用してから10年。改良ごとにデザインが煮詰められ、当初は取ってつけた感が……という声のあったスピンドルグリルも、かなり消費者に浸透したと言えるだろう。

 近年販売も好調のレクサスだが、スピンドルグリルを選択したことは、現在の実績から見て正解だったのか? 考察していきたい。

文/清水草一
写真/LEXUS

【画像ギャラリー】スピンドルボディで大進化したレクサスRZを画像でチェック(10枚)

■当初不評だったスピンドルグリルを大切に育てたレクサスの覚悟

 トヨタ初の量産EVである「bZ4X」に続き、そのレクサス版の「RZ」が公開された。

 RZは、レクサス販売の中心を担うSUV、RXクラスのEV。デザインもRXの相似形だが、レクサスの象徴であるスピンドルグリルがグリルレス化され、グリルだった部分は、ボディのようにのっぺりしている。

レクサスの新型EV「RZ」。EVなので冷却用の空気取り入れ口は最小限となっている。そのためこれまでのスピンドルグリルとは違った造形が必要になった

 ただし、スピンドル形状の周囲にフィンを付けたり、周囲のボディカラーを変えたりすることで、スピンドルの輪郭は明確に残され、誰でも一目でレクサスであることがわかるようになっている。

 レクサスはこれを「スピンドルボディ」と呼んでいるが、これまでのスピンドルグリルに比べて斬新だしカッコいい! のではないだろうか。

 従来のスピンドルグリルは、巨大な面積のすべてが空気取り入れ口ではなく、デザインアイデンティティのための装飾的意味合いが大きかった。

 一方RZのグリルレスは、空気を吸い込まないEVのあるべき姿。つまりスピンドルボディは、スピンドルグリルよりも、機能とイメージ作りを両立させている。

 そもそもスピンドルとは「糸車」のこと。糸車を横から見た形をイメージしたのがスピンドルグリルだ。

 スピンドルグリル採用以前のレクサスは、「L-FINESSE」をデザイン哲学として掲げていた。それは、奇を衒った造形ではなく、シンプルでありながら先進的かつ深みのあるデザインを目指すというコンセプトだった。

 L-FINESSE当時のレクサス車は、パネル面の微妙なうねりや、質の高い繊細な造形を目指していたが、繊細すぎて強さがなかった。走りも、ドイツ御三家に比べると全体に穏やかだったから、「レクサス=自己主張の弱い曖昧な高級車」という、漠然としたイメージができあがってしまった。

 「このままでは、レクサスは真の高級車ブランドになれない」と危機感を抱いたトヨタは、アウディのシングルフレームグリルの成功に倣い、それまでの控え目路線を捨て、スピンドグリルを導入。最初の採用は2012年登場のレクサスGSだった。

 当初は「エグイ」とか「浮いてる」と、どちらかと言えば不評だったが、アウディのシングルフレームグリルも、最初から好評だったわけではない。こういった統一デザインは、こうと決めたら継続しないと意味がなく、コロコロ変えるようでは逆にマイナスになる。

 トヨタの覚悟は本物だった。当初の不評をものともせず、スピンドルグリルを大切に育て、徐々に巨大化させつつ、フォムル全体になじませて行った。

■わずか10年でシングルフレームグリルに追いついた認知度

 レクサスのスピンドルグリル採用は成功だったのか? と問われれば、「大成功だった」と私は答える。それによってレクサスのイメージが形状として記憶されるようになり、以前に比べてはるかに明確になったからだ。

 今やレクサスと聞けば、誰もがスピンドルグリルを連想する。採用からわずか10年で、アウディのシングルフレームグリルに追いついたと言えるのではないか。いや、形状がよりアグレッシブな分、シングフレームグリルを超えたとも言える。

 現在のシングルフレームグリルには、デザイン的な行き詰りが感じられる。当初の強烈さや斬新さはとっくに失われたし、もともと形状が「単純なデカ口」に近かったため、巨大化はこれ以上ムリ! となると、発展させるのが難しくなったのだ。

 これ以上大きくできない点はスピンドルグリルも同様だが、もともとの形状がよりアグレッシブでわかりやすいので、刺激やアイコン性を継続させるのは簡単だし、LXではグリルの縁をなくして桟を太くすることで、新鮮さを獲得している。

これ以上は大きくできないが、よりアグレッシブでわかりやすい形状であり、グリルの縁をなくして桟を太くすることで新鮮さを獲得している

 しかもレクサスは、近い将来主力となるEVに、スピンドルグリルから発展させたスピンドルボディを採用し、アウディを出し抜いた格好だ。

 アウディも、EVのe-tronシリーズに、「穴のないシングルフレームグリル」を採用しているが、「スピンドルグリルの裏返し技」であるスピンドルボディに比べると常識的でインパクトは弱い。レクサスの勝利である。

 レクサスのスピンドルボディは、メルセデスやBMWのEVに対しても、デザイン的に優位に立っている。シンプルでカッコいいし、斬新さ、強烈さも持ち合わせているのだから素晴らしいじゃないか!

 エンジン車はスピンドルグリル、EVはそれを裏返したスピンドルボディというレクサスのデザイン戦略は、コロンブスの卵。誰でも思い付きそうで、誰も思い付かなかった。お見事としか言いようがない。

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