ライフハッカー[日本版]より転載
米Lifehacker読者のみなさんなら、ナスが私の大好物なのはとっくにご存知でしょう。
大好物であるだけに、これまでの長い年月の間に、ありとあらゆるレシピを試してきました。
ただし、たった1つ、大きな例外があります。私の家にはグリルを置くスペースがないのです。さらに、暑い夏の間は、オーブンを使うのがどうしても嫌で耐えられません。
こうした個人的な事情から、グリルで焼いたナスは、私にとって決して手に入れられない、永遠の憧れでした。
でも、それも過去の話です。
フライパンを使った天才的なナスの調理方法
私にとって今や一番のお気に入りとなったナスのレシピを教えてくれたのは、ロサンゼルスのレストラン「NIGHT + MARKET」でチーフシェフを務めるKris Yenbamroongさんです。
Yenbamroongさんがインスタグラムのストーリー機能を使って紹介してくれる調理法があまりに素晴らしいので、これを目当てにアカウントをフォローしているのです。
中でも、「Paolo Eggplant(パオロのナス)」というレシピでは、Yenbamroongさんは、私が今まで見たことがない、天才的なテクニックを使っていました。
それは、塩を振ったナスを大量の油で揚げるのではなく、何も味をつけない切ったままのナスを、油を敷かずに塩を振ったフライパンで焼くというやり方です。
薄切りのナスに火が通ったら、大量のオリーブオイル、ニンニク、粗びきの唐辛子、ハーブといったものをふりかけつつ、ラザニアの要領でナスを重ねていきます。このレシピは、ナスが大好物の私としては、試さざるを得ません。
グリルと変わらないクオリティ
最初にこの方法を試した時、私が使ったのは冷蔵庫に1週間以上放置されていて、すっかりしなびていた残念なナスでした。ところが、そんなすっかり古くなったナスでも、この方法で調理すると抜群に美味しかったのです。そして2度目の挑戦として、この記事を書くために超新鮮なナスで試したものは、1回目をさらに上回る出来でした。
さらに、フライパンで熱されたナスから払いのけた塩の粒が、驚くほどの熱を持っていることに気づきました。
ナスから出てくる水気は、この熱くなった塩の粒に触れると、すぐに蒸発します。そのため、ナスの表面は比較的乾いた状態を保ちます。これは、ナスをじっくりと、茶色くなるまで加熱する上で、大事なポイントです。
焼きあがったナスは、炭火でグリルしたわけではないのに、私がこれまでに食べた最高のナスのグリルとほとんど変わりません。炭火で焼いたような風味があり、甘みが引き出されています。なめらかな食感もポイントです。
調理手順
調理手順は、とても簡単です。
①まず、ナスを6ミリ~1.2センチの厚さで、縦か斜めにスライスします。
②テフロン加工のフライパンか、使い込んだ鉄のフライパンを、強めの中火で熱します。
③フライパンが熱くなったら、食卓塩(あるいは粒の細かい海塩)を1~2つまみ振り入れて、その上にスライスしたナスを投入します。数分経ったらひっくり返してください。
④ナスの両面にお好み加減の焦げ目がついたら、ボウルか皿にあけます。すべてのナスが焼き上がるまで、これを繰り返してください。調理中には、必要に応じて1つまみずつ塩を足しましょう。
楽しみ方が広がる味付け
さて、この後が、お待ちかねの味付けです。
ここまでの調理ではまったく油を使っていないので、お好みのフレーバーオイルは必須です。ここで油を加えることで、ナスは硬くならず、柔らかくジューシーな状態を保ちます。
それ以外は、何を加えてもかまいません。盛り付けも、作る人の自由です。Yenbamroongさんにならって、油や薬味と一緒に重ねるのも良いですし、ナスを細かく切ってほかの材料と混ぜ、サラダ仕立てにしても良いでしょう。
あなたにとって定番のフレーバーオイル、ネギ類、ハーブの組み合わせがあるなら、それを使ってください。そうしたものが思いつかない人は、以下に私のおすすめの味付けをリストアップしたので、どうぞ参考にしてください。
・ごま油、ニンニク、ショウガ、長ネギ、コチュジャンと米酢
・オリーブオイル、レモン汁、ニンニク、ケッパー、オリーブの実、パセリ
・ピーナッツオイル、魚醤、ライム果汁、スイートチリソース、香菜、刻んだピーナッツ
・ヨーグルト、オリーブオイル、ディル、レモン汁、ニンニク
・自家製のチリオイル、しょうゆ、中国黒酢、いりゴマ
・オリーブオイル、熟したトマトのスライス、バジル、バルサミコ酢
適切な分量や各材料の割合は、その人の好みや焼いたナスの分量によって変わってきます。ですから、味見をしながら決めていくと良いでしょう。
味付けができたら
完璧な味付けができたら、すぐに食べてもかまいませんし、冷蔵庫に数時間入れて味をなじませるのもおすすめです。
いずれにせよ、これで驚くほど美味しい、野菜を使った一品を堪能できます。肉料理のサイドディッシュとしても完璧ですし、パンとチーズに添えて、ご飯の上に乗せて、あるいは単独で食べても、文句なしのはずです。
Image & Text(原文): A.A. Newton
Translation: 長谷 睦/ガリレオ
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