新たに登場したアウディのコンセプトモデル「アーバンスフィア・コンセプト」は、これまでのアウディモデルで最大の室内空間を誇るモデルで、ドイツのアウディ本社と北京のデザインスタジオが共同制作、中国の潜在的なユーザーも参加してデザインを決定したといいます。
アウディのスフィアコンセプト第3弾は観音開きドアで広々室内
独アウディは2022年4月19日、「Urbansphere Concept(アーバンスフィア・コンセプト)」を発表しました。
アーバンスフィアは、アウディブランドが未来のプレミアムモビリティのビジョンを示すために制作されたコンセプトカーで、単にA地点からB地点へと移動するという目的を遥かに超える乗車体験を生み出すことを目指したといいます。ドイツのアウディ本社と北京のデザインスタジオが共同制作、中国の潜在的なユーザーも参加してデザインを決定したといいます。
2021年8月には初のスフィア・コンセプトとなる電気自動車「skysphere concept roadster(スカイスフィア・コンセプトロードスター)」を発表、その数週間後にはIAA2021においてシリーズ2番目のモデル「grandsphere concept(グランドスフィア・コンセプト)」が発表されました。
今回登場したアーバンスフィアはスフィア・コンセプト第3弾モデルです。全長5510mm×全幅2010mm×全高1780mm、ホイールベース3400mmというボディサイズは、アウディのこれまでの市販車やコンセプトカーのなかで最大の大きさとなっています。
アウディは、乗員を取り巻く空間を「sphere(スフィア=球)」と呼び、インテリアをデザインの中心的要素に据えています。
この新世代のクルマでは、開発要件リストの上位に、パワートレインやドライビングダイナミクスといった用語は列挙されていないといいます。代わりに、インテリアがデザインとテクノロジーの基盤になり、乗員が車内で過ごす体験が、もっとも重視されていることを意味しています。
アーバンスフィアはその考えの下、インテリアからエクステリアを体系的にデザインしたといいます。観音開きのドアを採用してBピラーはないため、ドアを開くとラクにクルマに乗り込むことが可能です。
インテリアには2列に並んだ4座のセパレートシートで、豪華なファーストクラスの快適性を提供。リアシートはとくに広く、背もたれを最大60度までリクライニングすることが可能で、レッグレストを伸ばすことも可能です。
会話を楽しみたい場合はシートを回転させて向き合うことも可能で、一方でプライベートな空間が必要な場合は、ヘッドレスト広報に取り付けられたプライバシースクリーンを使用して頭部エリアを隠すこともできます。各シートにはヘッドレストにスピーカーを備えて、さらにフロントシートの背もたれにはディスプレイも内蔵しています。
一方で乗員がインフォテインメントを一緒に楽しみたい場合には、1列目と2列目シートの間に大型透明OLEDスクリーンを設置可能です。インテリア全幅を占めるこのシネマスクリーンを利用して、リア2名の乗員が一緒に映画を観るだけでなく、ビデオ会議への参加も可能となっています。まさに「移動するオフィス」という空間にもなります。
物理的に制限されたスペースに、できるだけ多くのシート、収納スペース、機能を詰め込むという、従来の常識に捉われることなくデザインされています。その代わりに、快適性を重視しながら、乗員のニーズに応える広大なスペースを創出することに焦点を当てています。
なお、外観について、従来のクルマのフロントグリル部にあたるボディのフロント側およびテールゲート側には、デザイン上の特徴にもなっている大型デジタルライトを装着。このライトはコミュニケーションエレメントとしても機能します。
フロント側のデジタルライトは、ヘッドライト下部までカバーするほどの大きなサイズで、特徴的なフロントフェイスを強調します。
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アーバンスフィアはPPE(プレミアムプラットフォームエレクトリック)を採用した電気自動車(EV)で、前後のアクスル間に120kWh以上の容量のバッテリーモジュールをフラットに搭載。フロントおよびリヤアクスルにそれぞれ1基の電気モーターを備えており、quattro 4輪駆動システムも搭載しています。トータル最高出力は95kW・最大トルクは690Nmです。
800Vの充電技術を搭載しており、最大270kWの出力の急速充電を利用すれば、300km以上の走行可能レベルまでの充電時間はわずか10分といいます。さらにバッテリーは25分未満で5%から80%まで充電可能で、1回のフル充電で最大700km(WLTP基準)の航続距離が実現しています。
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