今作の舞台となるのは、2019年初夏から2020年の初夏。海野つなみ氏による原作10巻と11巻をもとに、契約結婚から生まれた恋を経て、みくりの妊娠をきっかけに2人がついに本当の“結婚”を決めた連ドラのその後を描く。野木亜紀子氏の脚本のもと、みくりと平匡が“家族”になる上で起こる、さまざまな問題に試行錯誤していくさまが描かれる。
続編は制作されるのか、いつ放送されるのか。多くのファンが待ち焦がれていた新作。新垣自身は「連ドラが終わった直後から『次をやりたい』と聞いていて『いつかな、いつかな』と思っていたので、ついにきたと思いました。4年という月日が経っているので、どういう風になるか予想がつかなくて、それが楽しみでもありちょっと不安でもあり。でも以前、作り上げたドラマ『逃げ恥』の世界で、この2人がどう新しい問題に向かっていくのか観てみたい気持ちもあったので、撮影は楽しく臨めました」と率直な心境を明かす。
同じ野木氏の作品である連ドラ『MIU404』(2020)を撮影中だった星野は「いろんな場所で続編について聞かれても『本当にわからないです』と心から答えていました(笑)。『MIU404』はスケジュール的に過酷だったので、これが終わったら『逃げ恥』があるという想いで頑張りました(笑)。『逃げ恥』はとても楽しい思い出があったので、今回も楽しい撮影になるのかなと思っていたら、結局こっちも過酷でした(笑)。でもどちらも別の種類の楽しさで『MIU』からの『逃げ恥』も撮影できました」と振り幅の大きい作品をやりきった。
撮影では、新垣より先にクランクインした星野は「スタッフのみなさんが一緒なので、すごく“帰ってきた”感があった。プロデューサーの方はもちろん、音声さん含め、みんなご一緒だったので」となつかしさでいっぱいに。最初のシーンは元同僚となった沼田(古田新太)、日野(藤井隆)と一緒。「すぐ藤井さんが台本にないことを始めるからおもしろくて仕方ない。連ドラのNG集を観るたびにおもしろくて、今度こそ俺は耐える!と思って臨んだのに1秒も耐えられなかった(笑)。また2人の面白さが次のステージに行っていて…ちょっとすごかったです」と初日から飛ばしまくるおなじみの仲間たちに笑顔があふれた。
一方、新垣は平匡とともに病院で妊娠を告げられるシーンからスタート。「初日はせりふがほとんどなくて平匡さんとのシーンではあったんですけど『はい!』とかしかなかったので、“帰ってきた感”は感じにくなったんですけど監督、スタッフさん、平匡(ヒラマサ)さんも『みくりさんでした』と言ってくれてホッとしました」と安堵。実際に、監督を務めた金子文紀氏や、那須田淳プロデューサーもそのシーンからすでに2人の表情が“みくり”と“平匡”に戻ったと明かしている。
■星野源、『逃げ恥』の存在に感謝「今の自分がいるきっかけに」
本編だけでなく“恋ダンス”や“ムズキュン”など多くのワードも注目を浴びた『逃げ恥』。新垣にとっては「以前、連ドラのときにお話してたと思いますがいろんなパズルのピースがカチッとはまったような感じ。作る側も楽しんでいたし、みてくださってる方にも楽しんでもらえ、より多くの人に受け止めてもらえて、うれしいことでした」とその反響の大きさを噛みしめる。
そして星野も「僕にとっては、一言で言えない感じはありますが、今の自分があるのは『逃げ恥』があったから。自分の役者としてはもちろん、音楽家として、主題歌でやらせていただいたことでいろんなひとに認知していただいて、それがきっかけでいろいろなことができるようになった。今の自分がいるきっかけになりました」と思い入れ深い作品であることは何年経っても変わらない。
新作では結婚・妊娠・出産という大きな環境の変化で奮闘するみくりと平匡の姿が、2時間半以上にわたってギュッと詰め込まれている。注目のシーンについて新垣は「お互い初めてのことに向き合っていて、そのモヤモヤが家で爆発するシーンがあって、今まで連ドラの関係性ではなかった、子どもができて、籍を入れた今だからこそ生まれたシーン」と紹介する。
これについて星野が「二人の関係性が進化しているシーンだよね」と納得すると、新垣は「普通ならもっとシリアスになりそうなところを『逃げ恥』の世界ならこういう風に観せたいと思うものを一生懸命に探りながら演じていたら、このあたり(首のあたり)が筋肉痛になりました」といい、体力・精神力ともに使うシーンも多かったよう。
そんななか、星野が挙げたのは「平匡がみくりさんのお腹に話しかけるシーンを観てもらいたいです。その時のみくりがかわいいです。平匡は変にしかみえないのではないかと心配…」と苦笑。すかさず新垣は「一所懸命でかわいいですよ。ほんわかすると思います」と優しくフォローを入れる。今回ももちろん“恋ダンス”にも挑戦したそうで、その仕上がりにも注目したい。
新作への想いについて、改めて星野は「今年は本当に大変だった、お疲れさまでした。年始のスペシャルドラマって普段の連ドラとは違う気合の入り方というか。『めでたくありたい』というところがあって、元気になっていただきたいです。やはり『逃げ恥』なのでいろんなメッセージが入っているし、一筋縄ではいかない。ただ楽しいじゃない。演じていても精神的にくるシーンもありますし、全部観終わったら、このタイトルの意味がわかるのではという作品になっている。必ずリアルタイムでみてください」と力強く語りかける。
新垣も「撮影が始まった時はこれがみなさんの息抜きになればいいな、といったんですけど、それに加えて、毎日を過ごすための、ちょっとした活力になれば良いなと思いながら、色んな方向に愛情を込めて撮影したつもりです。それぞれの場所で無事に新年を迎えて多くの方に観ていただけたら」とまっすぐ願いを込めた。連ドラから少し大人になり、さまざまな難題に立ち向かうみくりと平匡に励まされる物語となっている。
■衣装・撮影
撮影=濱田英明
スタイリスト=道券芳恵(新垣)、TEPPEI(星野)
ヘア&メーク=藤尾明日香(新垣)、高草木剛(VANITES)(星野)
衣装協力(新垣)
ニット LE PHIL /LE PHIL NEWoMan 新宿店
0363801960
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