
立皇嗣宣明の儀でお言葉を述べる天皇陛下(8日午前、皇居・宮殿「松の間」)=代表撮影
秋篠宮さまが皇位継承順位1位の皇嗣(こうし)となられたことを内外に示す儀式「立皇嗣の礼」が8日、皇居・宮殿で行われた。中心儀式の「立皇嗣宣明の儀」で天皇陛下が秋篠宮さまの地位を宣言。秋篠宮さまは「皇嗣としての責務に深く思いを致し、務めを果たしてまいりたく存じます」と述べられた。
宣明の儀は、憲法で天皇が行うと規定された国事行為。宮殿で最も格式が高いとされる「松の間」で、黄櫨染御袍(こうろぜんのごほう)と呼ばれる天皇専用の装束に身を包んだ陛下が「文仁親王が皇嗣であることを、広く内外に宣明します」と告げると、皇太子の伝統装束である黄丹袍(おうにのほう)をまとった秋篠宮さまが決意の言葉を返された。

立皇嗣宣明の儀で天皇、皇后両陛下の前でお言葉を述べる秋篠宮さま(8日午前、皇居・宮殿「松の間」)=代表撮影
儀式には常陸宮ご夫妻や秋篠宮家の眞子さま、佳子さまら皇族方のほか、三権の長や地方自治体の首長ら46人が参列した。当初は国内外の要人約350人を招き、4月19日に挙行する予定だったが、新型コロナウイルスの影響で、政府は規模を大幅に縮小し時期も延期した。
感染防止のため、祝宴にあたる「宮中饗宴(きょうえん)の儀」を取りやめたほか、儀式中は両陛下と秋篠宮ご夫妻、寿詞を述べた菅首相以外の参列者はマスク着用を徹底した。宮殿内の換気やソーシャルディスタンスの確保などの感染対策も講じられた。

宣明の儀に先立ち、両陛下は午前9時ごろ、宮中三殿で儀式の挙行を神前に報告する「賢所皇霊殿神殿に親告の儀」に臨まれた。
立皇嗣の礼は前例がない。一連の儀式は、天皇陛下が皇太子時代に臨まれた平成期の「立太子の礼」を参考に構成された。
もう一つの国事行為として、両陛下が秋篠宮ご夫妻に会われる「朝見の儀」が午後4時半から宮殿・松の間で行われる。「謝恩の辞」を述べる秋篠宮さまと紀子さまに、陛下と皇后さまがそれぞれお言葉をかけられる。
宮殿・鳳凰の間では、陛下が秋篠宮さまに、皇室に代々伝わる皇太子の守り刀「壺切御剣(つぼきりぎょけん)」を授ける儀式も営まれる。剣の親授は、平安時代から行われていたとされる。令和の代替わりに伴い「皇太子」が空位となったことで、皇位継承順位1位の「皇嗣」となった秋篠宮さまが受けられる。
皇居での儀式終了後の8日夜には、秋篠宮ご夫妻が仙洞仮御所(東京・港)へ移動し、上皇ご夫妻にあいさつされる。秋篠宮ご夫妻と上皇ご夫妻が会われるのは3月末の上皇ご夫妻の引っ越し以来初めて。
代替わりに伴う一連の主な行事はこの日で終了。今後、秋篠宮ご夫妻は関連行事として伊勢神宮や神武天皇山陵などに参拝されるが、コロナ禍の感染状況が見通せない中、参拝日程は未定となっている。

御仮寓所(ごかぐうしょ)を出発する秋篠宮ご夫妻と見送る悠仁さま(8日午前、東京都港区)=代表撮影
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