アウディは、新型『A3スポーツバック』(Audi A3 Sportback)に「Sライン」を設定し、5月から欧州納車を開始すると発表した。
スポーティなSラインエクステリア
Sラインは、アウディ各モデルに用意されるスポーティ仕様だ。内外装を中心に、数多くの特別装備が盛り込まれる。Sラインエクステリアのフレームは、マットプラチナグレー仕上げ。リアにも同様の違いを持たせた。シングルフレームグリルはチタンブラックで塗装され、クロームフレームで囲まれている。エアの取り入れ口と、フロントエンドの下部を構成するブレードは大型化されており、Sラインの外観を際立たせている。
シングルフレームのハニカムグリルは大型で、小さなインサートストリップが設けられた。グリルは少し下に取り付けられ、その上に3つの平らなルーバーが装着される。ルーフスポイラーとディフューザーインサートは専用デザインだ。ヘッドライトには、2本の縦LEDラインが入り、Sラインのスポーティさを強調している。
Sラインのエクステリアには、ディフューザーのフレームとサイドシルのインサートストリップも含まれている。つや消しブラックまたはアルマイト処理のアルミ製ルーフレールは、オプションで選択できる。ボディカラーは全12色。アトールブルーとターボブルー、マンハッタングレー、パイソンイエローが新色となる。
シートの素材にリサイクルされたペットボトルを使用
インテリアには、新開発されたスポーツシートや一体型ヘッドレスト、アルミニウムインレイ、ステンレススチールペダルなどを備えたダイナミックなSラインインテリアが装備される。
シート地は3種類を用意している。このうち、Sラインでは、ブラックとシルバーのカラーコンビネーションが特徴で、ロックグレーのコントラストステッチがアクセントになっている。後日、このコントラストステッチには、ブラックとレッドも追加される予定だ。対象となる装備グレードでは、これらの素材が標準仕様として採用され、人工皮革製のサイドボルスターと組み合わせられる。
リサイクル原料から作られたシート地も初採用された。使用するテキスタイルの最大89%は、複雑な工程を経て糸へとリサイクルされたペットボトルに由来する。このシート地は、見た目と座り心地の両面で、従来のテキスタイルから製作されたシート地と同じ品質を維持しているという。
全体として、シートごとに1.5リットル容量のペットボトルが最大45本使用された。カーペット用にも、リサイクルされたペットボトル62本が使用されている。インテリア以外のコンポーネントも、断熱材や吸収材、ラゲッジコンパートメントのサイドパネル、積載フロア、マットなどにもリサイクル原料が使用されている。アウディは、生産する車両のリサイクル素材の割合を、今後数年間で大幅に増加させるという明確な目標を掲げている。このプロセスでは、アウディブランドにふさわしい高品質な製品が提供されるという。
発売当初のエンジンはガソリンとディーゼル合計3種類
欧州での発売時には、3種類のエンジンのみが設定される。排気量の異なるエンジン、マイルドハイブリッドシステム、4WDの「クワトロ」ドライブといったバージョンを徐々に追加して、ラインナップを拡大する予定だ。
欧州発売時の3つのエンジンのうち、ガソリンは「1.5TFSI」だ。直噴1.5リットル直列4気筒ガソリンターボエンジンは、最大出力150psを発生する。欧州複合モード燃費は20.8km/リットル、CO2排出量は111g/kmだ。
ディーゼルは「2.0 TDI」の直噴2.0リットル直列4気筒ターボディーゼルが、最大出力116psを引き出す。欧州複合モード燃費は28.6km/リットル、CO2排出量は92g/kmだ。2.0 TDIには高出力版が用意されており、直噴2.0リットル直列4気筒ターボディーゼルは、最大出力150psに強化される。欧州複合モード燃費は27km/リットル、CO2排出量は98g/kmだ。
すべてのエンジンは、力強いトルクと洗練された走行特性を備えている。欧州での発売時に、駆動方式はFFのみとなる。エンジンパワーは、6速MTまたは7速「S トロニック」を介して伝達される。新しいシフトレバーは、コンパクトな設計だ。シフトレバーを前方に押したり、後方に引いたりして、ATの基本的な機能を操作する。
スポーツサスペンションを採用
最大出力150psエンジン用の4リンクリアアクスルは、快適な乗り心地と優れたダイナミクスを兼ね備えたスポーティでバランスの取れたサスペンションだ。オプションで、アダプティブダンパーコントロールも選択できる。このサスペンションを装備すると、車高が10mm下がる。各ダンパーは、路面の状態、運転状況、アウディドライブセレクトの走行モードに対応し、快適性重視から俊敏なハンドリングまで、非常に幅広い設定が可能だ。
Sラインエクステリアに標準装備され、他のグレードにオプション設定されるスポーツサスペンションは、スポーツ性を明確に重視している。サスペンションとダンパーはより硬めの設定となり、15mm低い車高とあいまって、路面とのよりダイレクトなコンタクトを得ることができる、としている。
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